【ハイパーサーミアとは】

ハイパーサーミアはがん細胞が熱に弱いという性質を利用した癌治療です。癌の標準療法としては手術、化学療法、放射線療法があります。民間ではその他様々な癌治療が宣伝されていますがそれらは健康保険適用になっていません。何故なら、保険適用審査を通るだけの十分な効果が証明されていないからです。

しかしハイパーサーミアは脳・眼球、血液の癌（白血病など）を除く殆ど全ての癌について「電磁波温熱療法」として健康保険が適用されます。それだけ効果に根拠（エビデンス）があるからです。

ハイパーサーミアの原理は電子レンジと同じだと言ったら不思議に思う方もいるでしょう。しかしハイパーサーミアでは身体の正常な部分ではなく癌の部位だけを狙って電磁波で加熱します。電子レンジを使うと容器は温まっていないのに中身だけ温まっていることがありますね。あれと同じで、癌腫の部位をCTやMRIなどで特定し、そこを狙って42度から43℃の熱を加えます。

ハイパーサーミアは単独で用いても効果がありますが、特に抗癌剤治療や放射線治療と併用すると効果が高まることが知られています。皮膚癌や皮下組織など浅い部位の癌にはハイパーサーミア単独でも高い効果が得られますが、内臓など深部の癌については抗がん剤や放射線療法と組み合わせることで治療効果を高めることが出来ます。また手術が出来ない癌の場合も効果が見込まれます。癌のステージ（進行度）に関係なく治療が行えます（個別の例外は除く）。



【ハイパーサーミアが行えない場合】

脳腫瘍、眼球腫瘍、白血病など血液の癌の方
ペースメーカーなどの金属を埋め込んでいる方
妊娠中の方
重篤な合併症を持つ方

上記の方々にはハイパーサーミアは行えません。